ある日突然出会った台湾式ダイエットマイシェン(埋線)で14キロ痩せた最強雨オンナがお届けする台湾生活あれこれ 

台湾の半導体企業を誘致すれば儲かるなんていうのは夢物語と思うわけです


皆さんご無沙汰しております。
今日は久々のブログ更新です。

今日は好き勝手いじわる目線で書きますので
こんな話もあるんだなぐらいで
さらっと読んでいただければと思います。

ご注意
この記事は私が日々見聞きしている物を

ベースに書きます。
あれは違うこれは違う等のツッコミはナシで
お願いいたします。

PSMC社が宮城県大衡村への進出を白紙撤回


でしょうね。
というのがわたし個人の感想である。
1年半ほど前だっただろうか?
この計画に携わっている日本人の方に
どんな感じ?とふんわり聞かれた事があるが
とても話がまとまるようには思えなかった。

「TSMC以外は失敗するよ」

と返答した記憶がある。
神がかり的予想でもなんでもなく
台湾の半導体業界を知る人なら一様にそう返したであろう。
台湾国内ですらいまいちな勢いなのに
あの段階で成功するとは誰も思わないのが普通である。

宮城県そして何より大衡村の皆さんは
心から期待されていたと思います。
しかしこれがTSMC以外の台湾企業の現実でもあるのです。

ニュースはこちらのリンクからどうぞ


PSMC社とは?


TSMCと似たような名前と思う方もいらっしゃるだろうが
その実、中身は全く違うのである。

正式な社名は
力晶積成電子製造股份有限公司
Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation
英語の頭文字をとってPSMCと呼ばれている。

彼らは元々レガシー半導体と言われるものを主軸製品としており
今でもその製造は続いている。
そんな彼らがTSMCと同じファンドリー事業に
主軸を移すことを決定したのが2012年

あれから12年たつが…というのが
個人的な感想である。

彼らの製造するチップのサイズを見ても
今のところTSMCには遠く及ばない。
世界8位のファウンドリーと言われているが
景気のいい話はあまり耳にしたことはない。

世界が束になってかかろうとも
TSMCの量産技術には追い付けないのだから
当然と言えば当然もある。


レガシー半導体は競合がひしめいている


彼らが主軸としている所謂レガシー半導体は
台湾を手に入れたくて仕方がないかの国が
安価でそれなりの品質のものをあまた製造しており
価格競争は日に日に熾烈になり
販売価格は下がる一方なのだ。

在庫が過剰に積みあがることもあり
業績が悪化することも珍しくはない

台湾の半導体企業だからなんでも儲かっているわけではない
ジリ貧の企業も多いのだ。

仮に誘致できていたとしても

業績が芳しくなければ
撤退やリストラもありえるのだ。
(その可能性は高かったと思う)


台湾企業は狡猾でしたたか


みなさんが思い描く親日台湾
そんなものは幻想である。

補助金・権利など
お金に直結するものを目も前にした彼らは
非常に狡猾でしたたかである。
良い人のふりなどいくらでもできるのだ。

ときには競合の存在をちらつかせ
より多くの補助金を引っ張ろうとするだろう。

日本を撤退することにしたのは
インドのほうが
補助金が多かったというのが実のところだろう。
条件も日本の条件よりも有利な条件を引き出せたのであろう。
なんだかんだもっともらしい理由をつけているが
要は日本側が払うお金が少なかっただけの話である。
と個人的には考えている。

間に入っているSBIもなにやらきな臭い
(個人的にはそんな気がしないでもない)

今回のPSMC撤退のニュースにも
我々はたくさん譲歩したという趣旨のコメントが
宮城県側から出されていた。
宮城県側は相当な煮え湯を飲まされかけたのであろう。

条件もそうだが
結局ものを言うのはお金なのである。

ちなみに相互の割合はさておき
日本の投資総額:8000億円

インドの投資総額:1兆6000億 
とも言われており
もはや背後についているものの規模と力の違いを
まざまざと見せつけられたかっこうになっている
※インドはTATAグループという財閥がついている

誘致後は投資のおもちゃになる


わたしが住んでいる台湾北部では
カフェに行こうものなら
何やら資料を片手に熱心に投資に誘っている人々を目にする。

なかには
『九州投資』とでかでかと書かれている資料もある。
取らぬ狸のなんやらってやつで
やたらと大きな数字を大きな声で話している軍団もいる。

日本在住の皆さんは
ご存じでない方も多いかもしれないが
台湾人の約8割が株を買ったり投資をしている。

よって九州
特にTSMCがある熊本は格好の投資場所になっているのだ。
もはやマネーゲームの地と化している。
知らないのは日本人だけなのかもしれない。

聞けば周辺の家賃も人件費も高騰し
人気のラーメン屋さんですら利益を確保できず
熊本市内に移転している。
おいしい思いをする人は少ないのが実情である。

そんななかで日本人は
雇用が増えたと喜び蟻の如く働いているのだ。

安易な半導体誘致は危険


熊本という成功例ができてしまったばかりに
多くの地方自治体が夢を見たくなるのはわかる。

ただこの誘致にあたって
台湾の半導体の現実を知る人が
どれだけ誘致プロジェクトにいるのかには個人的には疑問符がつく。

わたしに「どう思う?」と
ふんわり聞いてきた方も
プロジェクトに少し関わっていると言っていたが
インバウンドが専門で
半導体とは?はて?という感じであった。

業界に詳しい人
TSMC以外の企業の現実に詳しい人が
メンバーにいたとしたら
そもそもわたしには聞く必要がなかったようにも思う。

素人のくせに僭越ではありますが

誘致プロジェクトにおいて
台湾の半導体の現実を知る人の層を

より厚くするのが急務なのではないだろうか。

とPSMC撤退のニュースを見て感じた次第です。

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