ある日突然出会った台湾式ダイエットマイシェン(埋線)で14キロ痩せた最強雨オンナがお届けする台湾生活あれこれ 

台湾ドラマがブレイクしないのはなぜ?(2021.10.31)


10月も瞬く間に終わり
2021年も残すところあと2か月ですね。

今回は遅ればせながらどハマりしている
台湾ドラマ『想見你』を少しからめつつ
台湾ドラマ好きの素人が
ド素人目線で思うままに書いていきます。
お付き合いくだされば幸いです。

私はエンタメと全く関係のない業界で働いています。


台湾ドラマが韓ドラの如く社会現象にならないのはなぜ?


日本社会は空前の台湾ブーム。(とお見受けします)
タピオカに始まり、パイナップルにカステラ
街には雨後の筍のように台湾料理屋さんができ
誠品書店も日本進出を果たしている。

台湾という国は
ある意味1つのコンテンツの如く近年日本社会に浸透している。

だが、エンタメ界の盛り上がりはいまいちに感じる。
台湾好きな方々にしか知られていないように感じ
非常にやるせない気持ちでいっぱいだ。

台湾映画にしても日本で上映するとなると
たいてい渋めの好みの人々があつまる劇場や
台湾関連イベントのひとつとして上映されていたりで
盛り上がりとしては寂しい。

見たことなくても名前は知っているであろう
『冬ソナ』『梨泰院クラス』『イカゲーム』ばりの
社会現象的盛り上がりがほしいところである。

ちなみに台湾ドラマというとひと昔前は
日本の漫画の実写化が多かった。
花より男子やMARSなど少女漫画が実写化されることが多かった。

オリジナルの作品も数多くつくられるようになった。
何度かドラマのロケ現場に出くわしたことがあるが
女優さんたち爪楊枝みたいに細かったな。

実際のところおもしろいドラマが放送されているし
人気が出るだろうなって思う作品は多数ある。

でも…
台湾のお友達は皆口をそろえて、韓国ドラマのほうがおもしろいと言う。

本国の人々ですらこんな調子なのだから
国外においてブレイクしないのは必然とも言える。


日本語タイトルが残念


では、なぜ国外でブレイクしないのか?
ド素人の分析ではこうなる

①日本語タイトルがドラマの本質を表現できていない
②ひたすらイケメン推し
③故にタイトルが安っぽい

例えば『想見你』日本語に直訳すると『会いたい』
日本語は『時をかける愛』

タイトルだけで視聴者層を著しく狭い範囲に絞りこんでしまっている。
さしずめ女性 20代 と言ったところであろうか。
非常にもったいなく感じる。

海外のドラマや映画の日本語タイトルが
どのようにして決められているのか素人には知る由もないのだが

台湾の原題は『想見你(会いたい)』
あくまでもこみ上げる気持ちに重きを置いている。
対して、日本語は『時をかける愛』
ドラマ全体をぼんやりゆるぅく表現している。

狂おしいぐらいにこみ上げる、やり場のない気持ちがどこにも表現されていないのだ。

ドラマを見た方なら共感してもらえるかもしれないが
『想見你』という一見シンプルなタイトルは
非常に見事に作品の本質をとらえている。

残念だけど
『時をかける愛』ではラブコメに毛の生えたぐらいの作品だと誤解されても仕方がない。

この時点で既に一部の台湾エンタメ好きにしか相手にされない運命にある。
なんとなく想像力をかきたてないのだ。

あらがえない運命に翻弄されすれ違う主人公
劇中にちりばめられた小さなエピソード
それら点と点が線になる非常によく考えられた構成。

そういうところをタイトルに表現できないと
最初のつかみに失敗する。(ように感じる)
むしろ原題のままのほうが良かったと思う。


時をさかのぼり
2011年台湾で放送されたドラマ『我可能不會愛你』
(直訳すると、たぶん君を愛しはしないだろう 的な感じ)

日本語は『イタズラな恋愛白書』
ひどいの一言につきる。

全話見た方はご理解いただけるだろう。
ドラマのどこにもイタズラな要素はない。
イタズラに恋してたのは、主人公の元カレぐらいのもんだ。



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ジャンルと設定と展開の偏り


台湾ドラマの設定と展開はこんな感じである。
(よくある展開をざっくりまとめました)

1:主人公(男性)は社長か弁護士か重役か両家の子息
2:主人公(女性)限りなく一般人で失業中の場合もある
3:ありえない状況下で出会う
4:五話ぐらいまで会えば必ずケンカやこぜりあい
5:ある日突然自分のきもちにきづく
6:思いが通じたと思えば元カノ等登場でひと悶着
7:やっと付き合ったと思えば過去の一族の因縁が発覚
8:やっと付き合ったと思えば男性側の親族が反対
9:親(主にママ)の圧力に屈し一旦は別れを選ぶ殿方
10:その際なぜか理由は話さずいきなり突き放す
11:振っておきながらやたらと号泣する殿方
12:必ず勃発三角関係
13:振られたりやらかしたりするとすぐ国外逃亡
14:なんだかんだで最後はまるくおさまる


一事が万事こんな感じで、視聴者層がせばまる。

主にママが出て来る時間が非常に長いのも特徴。
ママだけでスピンオフ作品が作れそうな勢いだ。

ジャンルも
ラブコメ+家族のドタバタのようなものが多い。

たまにシリアスな内容のドラマもあるが
大部分のドラマの構成がこんな感じだ。

『想見你』は他のドラマと比べても
家族の(主にママ)登場シーンが比較的少なく
上述の状況にはあてはまらない。

台湾でブレイクしたのは
設定の斬新さもあったからだと勝手に分析している。

新しいジャンルも増えている


2021年台湾で放送された『SEQUALO(スカロ)』
ローバー号事件を題材にした原住民のドラマで
日本で言うところの大河ドラマのような感じだ。

台湾では
はるか昔から台湾で暮らしていた民族を原住民と呼んでいる。

これは差別的な呼称ではなく
先住民と呼ぶと
既に存在していないという意味になってしまう』ので
原住民と呼んでいる。

ブレイク案①橋田寿賀子先生路線


橋田寿賀子先生が得意としていた
家族と親族のいざこざとドロドロ。

台湾には台湾語で放送されているドラマ枠があり
渡鬼も真っ青の設定が目白押しなのだ。

主人公は、韓ドラですら足元にも及ばぬほどの不運と悲運を背負わされそれでも健気に生きている。
理不尽な仕打ちたるや渡鬼など足元にも及ばない。

台湾語ドラマは
日本における橋田寿賀子先生ロスを大いに埋められる
ポテンシャルを秘めていると個人的には感じている。

ラブコメに中途半端に家族なんかからめるよりも
中心に家族のドロドロを据えている台湾語ドラマが
ダークホース的に大躍進するのではないかと常々考えている。

劇中で繰り広げられる争いは、台湾あるあるだ。
ドラマは演出で誇張している所もあるが
メンツとお金でもめるのは台湾社会の常。
トラブルの火種はだいたい義家族と親戚。

台湾の男性は優しくていいよね~
とうっとりしている日本ガール達に見ていただき
今一度立ち止まっていただけると幸いだ。


ブレイク案②BL作品



誤解を恐れずに言うと、台湾はLGBTの方が多い。
街中でも同性カップルが甘い雰囲気を漂わせていることが常で
私個人はごく日常の光景になっている。

そんな台湾で製作されるBLを題材としたドラマは
いつもの台湾ドラマなんやったん!?というぐらい
登場人物の感情の動きを繊細に描写している。

日本人にはあまり感情移入できないであろう
突然感情が爆発して大きな声で怒り狂うシーンはあるものの
それでも一瞬の表情の変化や切なさをうまく表現している。

この繊細さは、日本のBL作品にはあまり見ない。
日本のBL作品はコメディーに走りがちな傾向にある。
BL作品=腐女子が好む漫画や小説というイメージなのか
現実離れしたラブコメ感がいなめない。

お友達に言われて見始めたのだが
『永遠的第一名』は主人公の切ない表情が非常に良かった。
機会があれば皆さんも見てみてくださいね。